「Giopants」開発ストーリー
こんにちは、HOLICCチーフプロデューサーの齊藤です。
私たちは「旅して働く」をもっとしやすくするアイテムを開発・販売しています。
この度、かねてより多数のご要望をいただいていたトラベルパンツが完成しました。
その名も『Giopants』です。
どういった思いでこのアイテムを考案・開発したのか、ぜひ紹介させてください。
開発への思い
旅行に行く前、パッキングを始めると「衣類がかさばる」と感じることが多くありました。
中でも特にパンツはトップスの2〜3枚分はあるような感覚で、なかなか旅行に持っていきたいと思えるものに出会えなかったのです。
そこで、トラベルパンツとして最適なものを作るべく、『Giopants』の開発に着手しました。
開発するにあたって、実現したかったのは以下のようなことです。
- フォーマルに近いシーンでも対応できる
- 蒸れにくく常にサラッとした履き心地
- 軽量だけど頼りなさを感じさせない生地の厚み
- 着脱がストレスにならない仕様
- 持ち運びしやすいようにパッカブルにする など
これらをすべて叶えた上で、「真っ先に選びたくなる1軍のパンツ」にしたいという想いがありました。
履き心地が良くて、どんなシーンでもサマになって、たくさんの条件を満たしていて、洗濯中じゃなければ絶対に履くようなもの。
そしてまさに『Giopants』は自分にとってそういった存在になりました。
”旅して働く”ための形状
『Giopants』を考案するにあたり、まず検討したのがパンツの形です。
当初は裾にゴムやリブが施されたジョガーパンツも考えたのですが、それだと少しカジュアルな印象が強くなってしまいます。
用途が限定されると真っ先に選びたくなる状態ではなくなり、荷物も増えてしまうため、どんなシーンでも馴染むことは欠かせないポイントでした。
そこでジョガーの足さばきの良さも持っていて、少しフォーマルなシーンにも対応できる「テーパード」を採用することにしました。
テーパードとは足首にむけて細くなっていく形
生地へのこだわり
第一に、吸水速乾の生地であることがマストでした。
ベタつきやすい暑さや湿気の中でも、たとえ雨に濡れたとしてもさらさらした履き心地が続くようにするためです。
洗濯後もすぐに乾くので、荷物を減らすことにも繋がります。
また、「軽量パンツ」というものはよく販売されていますが、生地がとても薄くて頼りなく、下着への響きやすさとトレードオフになっていることが多い印象です。
なので『Giopants』の生地は”一定の厚みを保った上で軽量なもの”を基準に選びました。
つまり、生地自体の構造として軽量になるように作られているものということですね。
機能性と厚みだけでなく、生地の見た目にもこだわりを詰めています。
軽量かつストレッチ性があるという条件で探すと、少し光沢感のあるテロっとしたものが大多数。
しかしビジネスシーンでも使うことを考え、マットな見た目の生地を探し出しました。
良い生地に出会ったとき、生地の値段を聞くと、やっぱり高いんですよね。(笑)
しかし妥協できずにそのままそれを採用してしまう。
今回も前述の通り色々と条件を設定して、候補となる生地をトータル50種くらい触り、これだと思う生地にたどり着きました。
サステナビリティ性については、「長く使ってもらえることが一番」という考え方で開発していますが、今回はその上で環境にも配慮したポリエステルを使用しています。
しかもその素材が、ストレッチ性と形態安定性をもっていることから、劣化がしやすいポリウレタンを使わずに済んでいます。
小さなストレスをなくす
①調整できて楽に履けるウエストの仕様
次に考えたのはウエストの形状です。
普段リモートワークをしていると結構トイレに行く頻度が高いことに気が付いて、いちいち紐を結んだりほどいたりするのは小さなストレスだなと感じていました。
だからパンツを開発するなら紐なしのゴム仕様にしたかったのです。
そもそもウエストの紐って何のためにあるんだ?と考えると、緩い時に縛って調節できるようにするためですよね。
つまり伸縮性のあるゴム仕様なら調節が必要なシーン自体が多くならないと思ったので、本当に紐をなくしました。
もちろん、きつくしたいという時も出てくるとは思います。
そんな時にも対応できるように考案したのが、トンネルゴムアジャスター仕様です。
これなら普段は何も気にせず履いて、いざというときだけきつくなる方のボタンに止めればいいだけですし、そっちのままにすることも戻すこともできます。
この仕様にたどり着いたとき、「これだ!」と思いました。特許申請も検討しています。
②パッカブルに対する課題をクリア
パンツを開発する際はパッカブルにもしたいと思っていました。
単独でも持ち運びしやすくバラバラにならない上に、もし外側が汚れてもくるっと丸めれば周りに影響が出ないからです。
しかしそれには3つの懸念点がありました。
まず、パッカブルにするための袋がなくなりやすいという問題。
これは結構他のアウトドアブランドのものでも発生しているんですよね。
なので、本商品ではポケットにそのまましまうことができる仕様にしました。これならなくなりようがないです。
次に、しまうのが面倒で結局しまわなくなるということ。
しまうための袋に対して入れるものが大きいと、きつくなってきちんと上手に収納しなければならない。この作業が面倒になった瞬間、人は使わなくなり、使わなくなると機能としてなかったものになってしまうのです。
『Giopants』は左ポケットにあるファスナーをひっくり返して入れる仕様なのですが、ポケットを少し大きめにしているのと、生地が柔らかくてかさばらないのでとてもしまいやすいです。
少し慣れれば10秒くらいでさっと収納できると思います。
最後の懸念点は、出したときにしわくちゃになること。
これは選んだ生地自体に形態安定性があるため、そもそも問題になりませんでした。
入れる時にぐちゃぐちゃに入れて、長い間そのままにしてから出してみてもほとんど気にならなかったです。
③ファスナーポケットの付け方
普通のファスナーポケットはファスナー部分が見えていることが多いですよね。
そうなると少しアウトドア感が強くなってしまい、ビジネスには不向き。
そのため前から見る限りはほとんどファスナーが見えないような作りにしています。
それから「ファスナーポケットって手を出し入れするときに引っかかるんだよなぁ」という印象を持っている方もいると思うのですが、『Giopants』は外側にファスナーが出ていないおかげか、引っかかりはほぼありません。
そういったイメージを持っていた弊社のメンバーも、実際に履いて手を出し入れしたところ全く気にならなかったと言ってくれました。
『Giopants』が完成して
軽量で、動きやすくて、通気性が良い。
こう考えていると自分の頭の中には「風」というイメージが浮かんでいました。
そこで私が直近訪れた国でもあり、今回の生産国ともなったベトナム語で「風」を翻訳してみると「Gio」と出てきたのです。
……かっこいいではないか。(笑)
地球や地理を表す「Geo」と同音で、まさしく旅好きな私たちにぴったりだと思い、名前を『Giopants』と決めたのです。
深夜に命名してメンバーにも共有したのですが、すぐにいいね!と言ってもらえました。(トルコとかジョージアとかにメンバーがいたので時差的にも反応しやすかったみたいです。(笑))
履き心地の良さ、軽量なのにしっかりとした生地、シーンを選ばないデザイン、そしてパッカブルという便利さ。
すべての要素が組み合わさり、まさに理想的なパンツが完成しました。
ぜひ『Giopants』を手にとって、その快適さを実感していただけたら嬉しく思います。
これからもHOLICCは、皆様の「旅して働く生き方」を、アイテムを通してサポートしてまいります。
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