「PackBag」開発ストーリー
洋服を圧縮してパッキングすることができ、ストラップを付けるとショルダーバッグやトートバッグになるPackBag。
ちょっとしたお出かけでも活躍しますが、“旅のプロ集団”シンクロが旅の移動を簡単にしたいという思いから開発されました。
Makuakeで多くの方に支持をいただき、今では一般販売もしている本商品。
この記事では、そのPackBagが生みだされたきっかけや開発の流れをご紹介します。
どんな商品を作る?開発の裏側
そもそもどんな商品を開発していくべきか・・・。
まず商品開発の会議で今までの旅での不満や課題を挙げていきました。
その中で最初に出たのが「ミニマルに移動したい」という声でした。
松谷(訪問国数102ヵ国):旅で一番気になるのは荷物かな。世界一周中に強盗にあって全てを盗られた時に「荷物の少ない旅ってこんなに快適なんだ!」って気づいて。
齊藤(チーフプロデューサー):そこ!w
松谷:タジキスタンの国境近くで突然ナイフを突きつけられて、持っていたバックパックごと持っていかれちゃって。残ったのはズボンのポケットに入っていたiPadとパスポートのみ。
齊藤:(ずいぶんデカいポケットのズボン履いてたんだな…)
松谷:荷物がコンパクトになると、稼働力も瞬発力も上がるので、常に全力で旅を楽しむことができる。世界の魅力を見逃さないためにも、もっと手軽な旅のスタイルを作りたいなあ。
齊藤:それは間違いない。僕もいつもできるだけ少ない荷物で旅をしたいと思っていて、都内から1泊2日の旅行でも、1ヵ月間の海外旅行でも基本はリュック1つでいっている。必要ないかもというものは極力持っていかないし、洋服は圧縮袋で圧縮もする。そういう意味では圧縮袋は色々不満があるんだよな。
そこで上がった不満点をまとめてみました。
これまでの圧縮袋の不満点とは?
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空気を抜くのが大変- 体重を乗せてヒザで洋服を潰しながら・・・大変
- パッキングし忘れたものが出てきたときに、空気を抜き直すのが大変
- 旅の道中に必要になって一度開けると、空気入って膨らんで大変
- 頑張って空気抜いたと思ってもいつのまにか空気入っていたりする
- スライダーが壊れやすく、壊れると旅ナカで困ってしまう
- 使い捨てのようになると環境にも良くない
- 空気を抜ききると表面がデコボコでその分結局使えないスペース生まれる
- バックパックから抜き出しにくい
- クシャクシャのビニール袋に入れるのが見た目微妙
- いい大人なら堂々と人に見せられるものにしたい
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齊藤:すぐ壊れて使い捨てみたいになるのは、環境にも良くない。将来その商品を見たときに昔行った旅を思い出すってくらいずっと使えて、サステナブルで軽量で機能的で・・・作るからにはそんなパッキングアイテムの決定版を作りたい!
いよいよ商品開発へ
そうして商品開発がスタート。
さらに、旅を広める会社として自らも旅×仕事を実践するTABIPPOも開発にジョインしました。
世の中にあるパッキングアイテムを調べまくり、レビューをひたすら読み込み、自分たち以外の人たちが感じていた不満を集めました。
そして、軽やかな移動に欠かせない「軽量性」にこだわり、様々な素材をリサーチ。実際にいくつもの素材でサンプルを作った上で、圧倒的にチーム内での評価が高かったのがアウトドアギアからヒントを得て選んだ「シルナイロン コーデュラ®」という生地でした。
非常に薄くて軽量でありながら強靭。さらに長期撥水性まで兼ね備えた生地。はっきり言って他の生地より断然仕入れ値が高かったのですが、作るからには妥協しないという姿勢で採用を決定しました。
さらに圧縮だけでなく、パッキング⇄ショルダーバッグ機能の変化という視点からも省スペースを考えました。
清水(TABIPPO代表):手持ちバッグ以外にもサブバッグを持っていくけど、少しでも荷物を減らしたい。だから、到着後はサブバッグとして使えたら良いのでは。
そこでストラップを付けることができるようにし、ショルダーバッグとしても使える仕様に。
これにより、洋服を圧縮して小さくし、さらに別で持っていくはずだったサブバッグも代替できることで、より一層荷物を減らすというコンセプトを追求できる商品になりました。
PackBagについているコピー「荷物を減らした方が、楽しみは増える。」は、このようにして生まれてきたのです。
さらに試作品からどのような改善を経て完成に至ったかをご紹介します。見た目だけではなく、使いやすさを上げていくための改善が中心です。
どう変わった?試作品のビフォー・アフター
①ストラップ取付パーツの配置
この試作品では、ショルダーストラップを取り付けるパーツが対角線にあります。この方がショルダーバッグにするときに体にフィットすると当初は想定していたのですが、実際は両方とも体に近い側にあったほうが安定すると分かり、移動することに。その方がストラップを付けた状態でのファスナーの開閉もしやすいです。
②ファスナー紐の素材
PackBagは両面の2部屋構造。元々そのファスナー紐は写真のように同じデザインでしたが、デザインをシンプルにしていることもありどちらに何を入れたかが分かりにくいという問題が。ショルダーバッグとして使う際、できれば手触り感だけでどちら側の紐をつかんでいるかわかるようにしたい、そんな声もあり表側の紐を変えたのでした。
③バッグ取っ手の長さ
最初は取っ手がこのように長かったのですが、邪魔にならないよう、またバックパックの中から引き出すときに力が伝わりやすいように、本体に沿うような短さに変更しています。
⑤ショルダーストラップ
デザイン決定後、生地への印刷方法も複数比較しました。写真下側が完成した商品。より精緻かつ自然な見た目になる手法を選びました。そして、真っ白ではなくややグレーがかった色を印刷することで、汚れや太陽光による黄変が目立ちにくいようにしました。
続いて以下はナスカンと呼ばれる部分。PackBagは圧縮パッキングバッグとして使うこととショルダーバッグとして使うことの両方があるので、取付け・取外しがしやすい右側にグレードをあげました。
また、ショルダーバッグとして使いつつ、Lサイズはトートバッグとしても使えるよう、様々な体格の人に試してもらいながらストラップの長さを1cm単位で微調整するといったこともしています。
以上が問題点と改善点でした。
このように複数回の改善を重ねて、ついにPackBagが出来上がりました!
商品が完成し、社内メンバーにも使ってもらいました。
実際に使ってみて・・・メンバーからの感想
シンクロ津下本
シンクロ松谷
シンクロ久野
旅行の時はいつも荷物が増えてしまい、毎回鞄がパンパンになってしまいストレスでした。圧縮することで鞄に空きスペースができ、荷物も整理できるので助かっています。
圧縮できた分さらに洋服をつめて、旅を楽しんでいます。(笑)
シンクロ植嶋
小さい方のバッグでも女性の身の回りの物が全部入って、ジムやちょっとした買物にも使えて便利。カジュアルなバッグですが、すべすべした高級感ある素材で、普段の服にも合うので重宝しています。
また、ご購入いただいた方からも喜びの声をいただいております。(以下一例)
お客様の声
あめむー様:
2セット購入し、年末年始に(こんなご時世ですが同じ県内だったので)主人の実家に帰省する際に、早速使用しました。
冬物の衣類は重さの割に嵩張るものが多く荷物が増えて困りがちでしたが、圧縮してコンパクトにできたおかげで1つのスーツケースに家族分の荷物がスッキリ収まりました。
ビニル袋のようなものではなくしっかりしたお洒落な作りなのでバッグとしても使えるのも良いです。帰省先で散歩など出かける際に使う小さなバッグをわざわざ持っていく必要がなく、圧縮しておいた衣類を出して、お出かけ用バッグとして使うことができました。
あと、2面あって、着ていないものと汚れたものを分けられるのも画期的でした。いつもは汚れたもの用の袋を別で持って行くのですが、その必要も無し!
ファスナーがそれぞれ異なるのもとても分かりやすく、よく考えられているなぁ…と感心しました。
今はコロナのせいで旅行へ行けませんが、もともと旅行が大好きで、荷物は極力コンパクトにまとめたい派なので、これから先旅行へ行けるようになったら大活躍してくれること間違い無し!と確信しています。
孝之様:
出張が多い職種で、出張の荷物をどれだけコンパクトにできるか、長年悩んでいました。
そのような時に出会ったのがPackBag。
コロナの影響で、出張回数が激減しており、購入してから数回の使用実績ですが、荷物のコンパクト化することができ、満足しています。
他の方も、「使ってみると作りがしっかりしていて使い勝手が良い」というお声が多いようです。
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PackBagの開発ストーリー、いかがでしたでしょうか。
HOLICCではこれからも、旅と仕事の境目のない新しい生き方をしやすくするためのアイテム開発を続けていきます。
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