美術館好きの社員に聞いた！世界のおすすめ美術館5選

旅行に出かけた際に、美術館に行く方も多いのではないでしょうか。

せっかくの旅行を思い出深く、楽しいものにするためには、美術館でその国や地域の歴史に触れてみるのもよいでしょう。

今回は、美術館自体にフォーカスして、自然やその土地の特徴と融合している、誰でも楽しめるような美術館とアート関連施設を紹介します。

◾️教えてくれた旅のプロ

萩原 雅之

27歳、今までに訪れた国は37カ国。訪問した美術館は100以上。おすすめの国はポルトガル、スペイン・サンセバスチャン、タイ・ピピ島。HOLICC運営会社の株式会社シンクロではゴルフクラブのブランド「NOOG」を中心に担当。元プロサッカー選手であり、趣味はサッカー観戦とサウナ。

萩原の鑑賞スタイルについて

萩原個人の鑑賞スタイルとしては、どちらかと言うと感覚派であり、美術について理論的・歴史的にインプットするスタイルではないです。最初にWEB検索やSNSを用いて下調べをした際に感覚的に気になる絵が見つかったら、その作者について少しだけ勉強した後に展示を見に行きます。

今回は、実際に見た数々の美術館とアート関連施設の中でも特におすすめの5選をご紹介します。

ルイジアナ近代美術館（デンマーク・フムレベック）

ここは、デンマークとスウェーデンの間に位置するエーレスンド海峡沿いにある施設であり、世界一美しい美術館と評価されています。美術館のすぐそばに海や庭が見える、非常に美麗な施設ですが、地元の人の憩いの場として休日にカフェに行く感覚で気軽に楽しめることが特徴です。

ここには、ピカソやジャコメッティ、アンディ・ウォーホルのような著名な美術家の作品などが飾られており、その美しさには目を見張るものがあります。しかし、いい意味で美術館らしくないカジュアルさを併せ持つため、肩肘張らずに作品を鑑賞できます。

神勝寺 禅と庭のミュージアム（日本・広島県）

次は、日本・広島県の福山市にある、禅と庭のミュージアムです。

ここは元々、寺院だった場所を名和晃平というアーティストが美術館として展開した場所です。庭園鑑賞のほか、坐禅体験や写経体験、アプリを経由したオーディオ鑑賞などの五感全体で楽しめるサービスが充実しており、観客を飽きさせないための工夫が感じられます。

ぜひ、実際に足を運んで体験してみてください。

モエレ沼公園（日本・北海道）

札幌を訪れる際には、ほぼ毎回モエレ沼公園を訪れます。ここは、ゴミ処理場をイサム・ノグチという世界的に有名な日本人の彫刻家が一大総合アート施設として一新した場所です。

夕暮れ時やサマータイムに行くと、このような幻想的な風景が楽しめるのでおすすめです。

豊島美術館（日本・香川県）

豊島美術館は瀬戸内海に臨む施設で、小豆島からもアクセスしやすいことが特徴です。

※出典：豊島美術館公式HP

この施設は辺りが白いコンクリートで囲まれており、窓部分となっている穴から光や風、音や雨などが溢れるため、自然の流れを肌で感じることができます。

この施設では、いたるところから水が湧き出す「泉」をコンセプトとした設計がされているため、自然と建物の調和をじかに感じることができて、大変に感動しました。

皆様も、是非実際にこの感動を体験してください。

江之浦測候所（日本・神奈川県）

神奈川県の小田原市にある江之浦測候所も、非常に面白い場所です。ここは、元々畑だったところを、杉本博司という現代アーティストが天候や気候の移ろいをコンセプトにした、総合型アート施設として改変しました。

夏至や冬至などの日照時間が最も長い日・最も短い日には特に施設内に光が大きく差し込むような工夫がされており、非常に趣深いです。

おまけ1：バンクシーのウォールアート（パレスチナ・ベツレヘム）

おまけとして、バンクシーのウォールアートについても触れます。

イスラエルからパレスチナに入国する際に大きな分離壁があり、そこを潜ると全く別の世界が広がっていますが、その分壁画にはバンクシーを始めとしたさまざまな美術家が社会を風刺した絵を描いています。

たとえば、兵士のボディチェックをする少女や、平和の象徴であるはずの鳩に銃で狙いを定める絵などをバンクシーが描いたとされています。

このように、紛争問題の渦中にある地域で社会を風刺する絵をメッセージとして世界に発信していくことをアートと捉えるバンクシーの姿勢は、大変興味深いです。

おまけ2：世界一眺めの悪いホテル（パレスチナ・ベツレヘム）

最後に、余談として同じくバレスチナ・ベツレヘムにある世界一眺めの悪いホテルを紹介します。このホテルも、前述した分離壁の隣にそびえています。

イスラエルとパレスチナの分離壁がホテルの部屋からまっすぐ見えることから『世界一眺めが悪い』と名付ける着眼点に、政治的な抑圧に対する反抗のメッセージを感じます。

旅先の美術館に赴いて満足度アップ！

私が訪れた100以上の美術館の中でも、特におすすめしたい5つを紹介しました。地域の文化や歴史に触れると、旅の思い出を一層深めることができますよね。次回の旅の際は、ぜひこれらの美術館を訪れてみてはいかがでしょうか。